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月別アーカイブ: 2025年11月

第22回配管工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社Kouei、更新担当の中西です。

 

1. ルーティングの目的:短いより“賢い”配管へ
ルートの最短化は重要ですが、点検性・更新性・安全性・省エネを犠牲にしては本末転倒。熱膨張の逃げ、ドレン/ベントの抜け、保守空間、防火区画、耐震ブレース、断熱厚まで視野に入れ、一生使える合理性を埋め込むのが理想です。

 

2. 設計の基準線:通り芯・レベル・基準面
• 建物は通り芯(X/Y)と基準レベル(±0)が言語。配管は梁下/天井下地/床上のクリアランスを確定し、天端基準で高さを統一。
• 貫通スリーブは仕上前に確定。エキスパンションジョイントや伸縮ループのスペースを先取り。

 

3. 勾配系(排水・ドレン・通気)の必勝パターン
• 勾配は1/100〜1/50を確保。長距離は流速と堆積を両立するため径を見直す。
• 通気は器具直近で立上げ、負圧/サイホン切れを予防。ループ通気・個別通気をケースで使い分け。
• ドレン集合は枝長さと接続角度に注意し、臭気・逆流を抑える。

 

4. 圧力系(給水・蒸気・ガス)の圧損と水撃
• 圧力損失は管径・流速・継手数で決まる。CV値や弁差圧を見込み、循環量と揚程を最適化。
• 水撃は立上り直後・弁下流が要注意。アレスター、開閉速度制御、固定支持で抑制。
• 蒸気はドレンポケットとトラップを適所に、逆勾配に注意。

 

5. 熱膨張・収縮:ループ/スライド/アンカー設計
• ΔL = α・L・ΔTで基礎計算。長尺はエキスパンションループ、狭所はベローズ/スリップジョイント。
• アンカー—ガイド—スライドの配置で伸びの向きを制御。機器ノズルに曲げを入れない。
• 断熱厚と保温の切れ目で膨張量が変わるため、断熱計画と一体で検討。

 

6. 干渉回避:BIM/点群と“先取り”の思想
• 機械・電気・ダクトと優先順位を明示し、点群スキャンで既存を可視化。
• スプール分割は搬入経路・重量・溶接順序から決め、ボルトクリアランスとラチェット空間を確保。
• メンテナンス空間(弁操作、ストレーナ清掃、計器交換)を3Dでチェック。

 

7. 保守・更新性:未来への配慮 ♻️
• バルブ・ストレーナ・計器は点検高さと足場不要を基本に。脱着スペースと吊り金具を設置。
• 将来更新用に予備配管/スリーブ/バルブ座を残す。バイパスで停止時間を短縮。
• 表示(流向・系統色・タグ)を動線で見える位置につける。

 

8. ケーススタディ:雑居ビルの空調ドレン改修
課題:勾配不足で天井裏で滞留→カビ・漏水。夜間のみ作業可。 解:点群で勾配を確認し、薄型勾配ユニットと局所ポンプでクリア。防振ハンガーと断熱厚変更で結露リスクを低減。点検口を3箇所増設し、清掃性UP。結果、クレームゼロでシーズンイン。

 

9. 現場ルーティング・チェックリスト
• 勾配・通気・ドレンの経路と清掃点
• 圧損・CV・バルブ差圧・水撃対策
• 熱膨張(アンカー/ガイド/スライド/ループ)
• 断熱厚・識別表示・保守空間
• 貫通スリーブ・防火区画・止水納まり
• スプール分割・搬入経路・重量計画

 

10. まとめ ✍️
ルーティングは図面の美学ではなく運転の論理。短い・静か・点検しやすい・省エネの四拍子を満たすことで、竣工後の満足度が劇的に上がります。次回は給水設備を深掘りします。✨

 

 

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第21回配管工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社Kouei、更新担当の中西です。

 

1. なぜ“支持”が品質の8割を決めるのか 🧭
漏水や騒音、溶接割れの多くは支持の不足/過多/偏りが根本原因。支持は配管だけでなく、天井下地・梁・床スラブとの力のやり取りを設計する仕事です。自重+流体+断熱+付帯品+動荷重(水撃・熱膨張・地震)を見込み、許容たわみと保守空間を同時に満たす必要があります。🧮

 

2. 支持方式の選定と配置 📌
• ハンガー(吊り):天井懸垂。スプリング・ゴムで防振可。支持ピッチは材質・径・内容物で変化。
• サドル/バンド:壁・床固定。滑り/固定/ガイド/アンカーを使い分け、膨張を逃がす。
• 架台/ラック:多系統をまとめる共用支持。工場製作でプレハブ化が効果的。
• スライド/ローラー:長尺配管の熱膨張を追従。🔥
配置原則: – エルボ直前直後、バルブ両側、フレキ前後には補助支持。重量物(ストレーナ・弁)は独立支持。 – 伸縮継手はアンカー—ガイド—スライドの三点セットで設計。📏

 

3. アンカー・インサート・あと施工 🧱
• 先付インサート:荷重・打設厚・躯体鉄筋と干渉確認。施工前に引張試験の要否判断。
• あと施工アンカー:回転打込み/ケミカル/アンダーカット。穿孔粉塵清掃→接着剤充填→固化時間を厳守。
• 縁端距離・間隔の不足は荷重低減やプレート増設で補正。🧰

 

4. 荷重計算と部材選定 📐
• 設計荷重 = 自重 + 内容物 + 断熱 + 積雪/保守荷重 + 動荷重(地震・水撃)。
• 部材は許容応力度と座屈で確認。ねじ棒は座屈長さに注意、チャンネル/形鋼はたわみと取付ピッチを同時検証。
• 共鳴を避けるため、固有振動数を対象機器の励振周波数から離す。📊

 

5. 防振設計:騒音・振動・水撃対策 🎧
• ポンプ・冷凍機・空調機はばね/ゴムの支持点数と荷重配分を一致させる。
• 防振架台は質量と剛性のバランス。配管はフレキで機器と切り離し、ガイド支持で揺動を制御。
• 水撃はアレスタ設置・開閉速度制御・支持剛性UPで抑制。💥

 

6. 耐震・制振:コードと実務 ⚠️
• 吊り配管にはブレース、立管にはストラップ。層間変位と落下方向を想定した配置。
• 消火・ガスは法令の耐震要件を満たす認定金具を使用。アンカー引抜き値の証跡を台帳化。
• 継手直近に固定支持を置き、曲げモーメントを逃がす。🧷

 

7. 施工標準:現場での決定版手順 🧩
1) 墨出し:通り芯・レベル・障害物を反映し、ハンガー通りを確定。
2) 先行支持:共用架台→大径→小径の順。ガイド/スライド/固定の機能をマーキング。
3) 吊り下げ:ねじ棒長さの余裕とレベルを管理。ナット二丁掛けで緩み防止。
4) 断熱前検査:締結部・焚き色・打刻・ガスケットの露出確認。📸

 

8. トラブルと是正 🧯
• きしみ音→スライド不足、潤滑、バンド過締め。テフロンライナーやローラー支持に変更。
• ポンプ配管割れ→固定点と伸縮継手の位置不良。アンカー—ガイドの再配置。
• 天井のたわみ→荷重過多。荷重分散プレートや梁への吊替で是正。🛠️

 

9. 検査と記録
• 引張/せん断試験の成績、アンカー写真(穿孔深さ・接着剤ロット・固化時間)。
• 支持間隔・レベル・機能(固定/ガイド/スライド/防振)のラベル表示。
• 熱膨張計算書と支持機能表を図面と一体管理。🗂️

 

10. まとめ ✍️
支持は配管の見えない設計。荷重・振動・膨張の三点を押さえ、固定—ガイド—スライド—防振—耐震を組み合わせれば、長寿命で静かな設備が実現します。次回はルーティング設計へ。🧭

 

 

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