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第22回配管工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社Kouei、更新担当の中西です。

 

1. ルーティングの目的:短いより“賢い”配管へ
ルートの最短化は重要ですが、点検性・更新性・安全性・省エネを犠牲にしては本末転倒。熱膨張の逃げ、ドレン/ベントの抜け、保守空間、防火区画、耐震ブレース、断熱厚まで視野に入れ、一生使える合理性を埋め込むのが理想です。

 

2. 設計の基準線:通り芯・レベル・基準面
• 建物は通り芯(X/Y)と基準レベル(±0)が言語。配管は梁下/天井下地/床上のクリアランスを確定し、天端基準で高さを統一。
• 貫通スリーブは仕上前に確定。エキスパンションジョイントや伸縮ループのスペースを先取り。

 

3. 勾配系(排水・ドレン・通気)の必勝パターン
• 勾配は1/100〜1/50を確保。長距離は流速と堆積を両立するため径を見直す。
• 通気は器具直近で立上げ、負圧/サイホン切れを予防。ループ通気・個別通気をケースで使い分け。
• ドレン集合は枝長さと接続角度に注意し、臭気・逆流を抑える。

 

4. 圧力系(給水・蒸気・ガス)の圧損と水撃
• 圧力損失は管径・流速・継手数で決まる。CV値や弁差圧を見込み、循環量と揚程を最適化。
• 水撃は立上り直後・弁下流が要注意。アレスター、開閉速度制御、固定支持で抑制。
• 蒸気はドレンポケットとトラップを適所に、逆勾配に注意。

 

5. 熱膨張・収縮:ループ/スライド/アンカー設計
• ΔL = α・L・ΔTで基礎計算。長尺はエキスパンションループ、狭所はベローズ/スリップジョイント。
• アンカー—ガイド—スライドの配置で伸びの向きを制御。機器ノズルに曲げを入れない。
• 断熱厚と保温の切れ目で膨張量が変わるため、断熱計画と一体で検討。

 

6. 干渉回避:BIM/点群と“先取り”の思想
• 機械・電気・ダクトと優先順位を明示し、点群スキャンで既存を可視化。
• スプール分割は搬入経路・重量・溶接順序から決め、ボルトクリアランスとラチェット空間を確保。
• メンテナンス空間(弁操作、ストレーナ清掃、計器交換)を3Dでチェック。

 

7. 保守・更新性:未来への配慮 ♻️
• バルブ・ストレーナ・計器は点検高さと足場不要を基本に。脱着スペースと吊り金具を設置。
• 将来更新用に予備配管/スリーブ/バルブ座を残す。バイパスで停止時間を短縮。
• 表示(流向・系統色・タグ)を動線で見える位置につける。

 

8. ケーススタディ:雑居ビルの空調ドレン改修
課題:勾配不足で天井裏で滞留→カビ・漏水。夜間のみ作業可。 解:点群で勾配を確認し、薄型勾配ユニットと局所ポンプでクリア。防振ハンガーと断熱厚変更で結露リスクを低減。点検口を3箇所増設し、清掃性UP。結果、クレームゼロでシーズンイン。

 

9. 現場ルーティング・チェックリスト
• 勾配・通気・ドレンの経路と清掃点
• 圧損・CV・バルブ差圧・水撃対策
• 熱膨張(アンカー/ガイド/スライド/ループ)
• 断熱厚・識別表示・保守空間
• 貫通スリーブ・防火区画・止水納まり
• スプール分割・搬入経路・重量計画

 

10. まとめ ✍️
ルーティングは図面の美学ではなく運転の論理。短い・静か・点検しやすい・省エネの四拍子を満たすことで、竣工後の満足度が劇的に上がります。次回は給水設備を深掘りします。✨

 

 

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